明治安田生命「じぶんの積み立て」を解約した話 その2

入門編!

前回からの続きです。ざっとおさらいしますと、僕の母が保険のおばあさんに促されて、僕の名義で年金保険に契約していたことが家族内にバレてしまった!というところからこのお話が始まります。

さて、この時点での状況はどうだったのでしょうか。まずは状況の把握から始めましょう。

母に聞き取りすると以下のようであることがわかりました。

現状
  • 毎月5000円をすでに4年間継続中
  • 名義人(被保険者および保険契約者)は僕になっている
  • もちろん僕は事前に説明されていないし、この契約の事実を知らない
  • 掛金の支払い者は母で、掛金は母の口座から引き落とし
  • 満期の時の受け取りも母の口座

ちなみに父は怒るばかりできちんと聞き取りしていなかったので、この状況を知るのにも少し時間がかかりました。というのも、怒った父に対し、母はすぐに解約するからとだけ伝えてそれでこの話題を終わらせてしまっていました。しかし、母は実際に保険会社の担当の方に解約の相談をすると、あと1年続ければお金増えますよーと言われ、黙ってそのまま続けようとしていたのでした。僕も父から解約することになったからと聞いていたため、てっきり早々に解約に進んだものと思っていましたが、実は継続するつもりだということを母が話すまでは詳しい状況がわかりいませんでした。

さて、この年金保険に関しては契約の手続き上の問題があるのは明らかですが、今回の内容では保険商品そのものについて考察してみたいと思います。

メリット(と思われるもの)

①5年後に1%、さらに5年寝かせると3%お金が増える

まずはここが1番のメリット、というかこの商品の最大のウリの部分でしょう。5000円ずつ5年預け続けて、30万円貯まった時に3000円もらえる。その後5年待つだけでさらに追加で6000円もらえる。5年後に3000円増えるのでこの場合は複利計算で年利0.4%、10年後に9000円増えるのでこの場合は複利計算で年利0.3%(!)になります。年利0.001%の銀行預金よりはマシだと言うのが大きな主張ですね。銀行に預けててもお金増えませんよ〜とか言われたんだろうなぁと思います。皆さんも勧誘されたことありませんか?

②毎月引き落としなので自動で貯蓄できる

自動で振り込まれていくので、わざわざ自分で貯金を管理する必要がない、と考えることができます。母は全く貯金ができないタイプではないのですが、それでも意識しないで貯蓄できるのは楽だったのかもしれません。

③返戻金は常に元本保証されている

この商品は年金保険の中ではかなり珍しく、最初の5年間はいつ解約しても振り込んだ金額の全額(100%)を返すことになっており、その後の5年はどこで解約しても最低3000円は増えた状態(101%以上)で返ってきます。この点は今回かなり助かりました。解約させたい僕から見ると最大のメリットと言ってもいいと思います。明治安田生命がなくならない限りは貯蓄としての機能があると考えて良いです。

さて続いてデメリットについて考えていきましょう

デメリット

①倒産リスク

メリットの3番目でも触れましたが、「倒産しない限りは」貯蓄としての機能があるこの保険ですが、倒産した場合にはその機能がなくなります。年金保険は生命保険と同一の法律が根拠になっており、この法律が保険会社に対して、倒産の場合に備えて責任準備金を用意するように規定していますが、同法律では掛金の100%を保証する必要はないことになっています。これまでに倒産した保険会社では年金保険商品については8〜9割の掛金が返ってきただけのようです。この点、銀行預金なら1000万円までは預金を100%保証する法律がありますので、お金を守るという機能は銀行預金のほうが優れていることがわかります。保険会社にお金を預けることは元本割れリスクがあるのですね。

いやいや、倒産する前に解約すればいいじゃん、と思ったら大間違いだと僕は思います。何か明治安田生命に事件があり、解約しようとしても電話がつながるかどうかわかりません。担当者も、きっと倒産なんてしませんよ、とか、今回の母のようにもう少し待つとお金増えますよ、とか言うはずです。過去に倒産した保険会社と契約していた人たちだって、まさか自分が契約した保険会社が倒産するとは思わなかったでしょう。未来予知ができる人はいませんからね。

②資金拘束が強い

年金保険一般に言えることですが、保険会社は契約者からお金を集めることで利益になるので、返すことを嫌がります。この商品だとその性質がめちゃくちゃわかりやすいのです。5年かけてからさらに5年置いておくとそれだけで6000円もらえる!としか書いていませんが、実際には利率が下がります。このことに気付く人なんていないだろうという保険設計者の声が聞こえそうです。このため、明治安田生命にしてみれば、5年で返すよりも10年後まで預からせて欲しい!と思っているはずです。そのほうが会社の負担が実質的に小さいのです。

こういう思惑がある限り、普通の契約者では10年待たずにこの商品の解約はできないだろうと思います。担当の営業マンは必ず、最初の5年の間、払い込みが終われば3000円増えますよ、それまでは1円も増えませんよ、と言い続けるでしょう。次の5年には、払い込みが終わればあとは待つだけですよ、とか、万が一お亡くなりになった場合には10年満期の額で返しますよ、とか言うはずです。ということは、この保険の契約者は、解約したい場合、自分の強い意思で解約に持っていく必要があります。そもそも営業さんの言葉を信じて預けているのだから営業さんに継続の圧力を受けるとそう簡単には自分の意思を貫くことはできないでしょう。

このため、貯蓄と言いながら必要な時に引き出すことが困難になります。本当に場合によっては、この保険を継続するために誰かに借金する人もいたりするかもしれません。

③インフレに負けている

今回僕が一番伝えたい、正直に申し上げて腹が立っているのはここです。母がお金を明治安田生命に預けていたこの4年間、インフレ率はどうだったかを皆さんはご存知でしょうか。

2017年2018年2019年2020年4年平均
0.47%0.98%0.48%-0.02%0.477%
日本のインフレ率 出典:IMF-World Economic Outlook Databases

このようになっています。実は日本は年々、インフレしているのです。体感としてもわかりますよね。昔からあるお菓子が値上げしたり、同じ値段でも容量が小さくなったりしたのを気づいてショックを受けたことはきっとみんなあると思います。

この「自分の積み立て」は年平均利率が高く見積もっても0.4%しかありません。ましてや、もし10年満期まで引き出さなかったら0.3%に目減りするのです。どちらにせよ、インフレ率に負けているのです。日銀はインフレ率を以前からずっと2%を目標としており、今後も今よりもインフレ率が低くなる世の中にはならないでしょう。政府はもっとインフレさせたいと思っていてもおかしくないのです。

インフレ率より年金保険の利率が低いことが何を意味するのか。保険会社にお金を預けて、リスクをとって、お金の価値を小さくしているのです。今月5000円貯蓄して、10年後に今の5000円で買えるものが10年後には買えないのです。保険会社は母からお金を巻き上げて、時間をかけて貧しくさせていたのです。このことが僕は一番許せないです。おそらく僕の名前を使っているのは、お金を増やして息子さんに渡してあげればいいんじゃない?とかなんとか言われたからだと思うのです。僕の名前を出し、母の善意につけ込んで、母を実質的に貧しくする。何度考えても腹が立ちます。こういうことがこのニッポンでは日常的にどこでも起きているのです。

少し感情的になってしまいました笑

いやいや、やすやすくん、銀行に預けっぱなしだったら余計にインフレに負けるんだからそれでも少しは賢い選択なんじゃないの?という意見がありそうなのでこの点も考えておきたいところです。

僕の意見ですが、資金拘束があるくせにインフレに負けているというのが問題だと思うのです。預金はずっと前から低金利であり、それがすでに国民生活に浸透しています。インフレしていることもみんな気づいているはずです。それでも銀行に預けるのは、資金の流動性が最も高いからだと思うのです。必要な時に必要なだけ引き出すことができるし、クレジットカードの決済銀行に指定しておけば、現金がなくても不自由なく買い物や食事ができます。それが銀行預金という個人の信用であり、流動性のある資産を持っておく理由になるのです。例えば明日病気になっても、銀行預金は頼もしい味方になってくれます。一方、年金保険は資金拘束され、しかも毎月の支出に近い感覚で家計から出て行きます。いざというときも、損するという謎の感情に流されて解約をためらう人も多いでしょう。お金を不自由にして、リスクを承知で投資して、リターンが結果として貧しくなる、それが本当に賢い選択でしょうか?10年後に5000円で食べられない食事が、今日なら5000円で食べられるのです。

僕の結論

あくまで個人的な結論ですが、明治安田生命にお金を預けるくらいなら、今月その掛金で美味しいものを、母には食べて欲しいと僕は思っています。これは個人の見解が別れるところだと思いますので、もしコメントでご意見もらえたら嬉しいです。皆さんはどう思われますか?

さて、今回も長くなってしまったので、本当に解約するお話はまた次回にしようと思います笑。

次回もしっかり考えましょう。

それではまた、よろしくお願いします。

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